Q3:どんな国や地域で人身売買が行われているのでしょうか?

  • 人身売買が行われている国や地域

    世界中で行われています。

    そしてQ&A2で見たようにさまざまなパターンがあります。人身売買が行われている地域も、1つの国の中で行われる人身売買もあれば、国と国との間で、つまり国境を越えて行われる人身売買まであります。国境を越えて行われる人身売買には「人の移動」も深く関係しています。これは移住労働を意味します。移住労働とは、よりよい生活や収入を求めて働く場所を求めて出稼ぎをすることです。日本でも地方から仕事を求めて、都会へ出てくることがありますがそれも一つの移住労働です。

    上の表は2006年に人身売買について、国連の薬物犯罪事務所が発表した、国境を越えて起こる人身売買の発生地域を表した表です。ブルーで表されているのが人身売買の被害者を送り出している国や地域です。グレーで表されてるのが人身売買の被害者を受け入れている国や地域です。レッドで表されているのが、送り出し国から受け入れ国へ人身売買をする際に乗り継ぐ、「中継エリア」と呼ばれる国・地域です。

    なぜ、中継エリアが必要かと言えば、人身売買は巧妙かつ見えないように行わなければならないためです。つまり悪いこと=犯罪であるから隠すわけです。人身売買であることが見破られないために、複数の国を通って、送り出される国・地域から、目的地へ向かうカモフラージュ用の中継エリアが必要なのです。日本は受け入れ大国ですが日本への入国のパターンには、たとえばタイ→アメリカ→日本等のようなケースもあります。

  • 移住労働は自己責任ではない

    こうした国境を越えての人身売買にもつながりのある「移住労働」について、「好きで来たんだから、何をされても仕方がない」という自己責任論を当てはめるられることがよくあります。しかし移住労働の背景には、たとえば自然災害や、国・企業の乱伐による環境破壊によって住む場所を失ったり、働いていた会社や工場が急に閉鎖になって働く場所を失ったり、社会保障が未整備な地域で高額な医療費が必要になるなど、個人を超えたところにその理由があることが多いのです。

    人が人として生きていくための決断の中で、移住労働を選ぶときその人を陥れる人身売買こそが問題であって、その人が移住労働をしなくてはならない社会構造こそが責められるべきなのです。移住労働をする一人ひとりが安全に移住し働く場所を選び、その地で暮らすことが保障される権利を考えてみることがたいせつです。

より詳細の背景が知りたい方へ

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:(独)国立女性教育会館 研究国際室へ
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