Q4:日本でも人身売買が行われているって本当ですか?

  • 性的搾取と強制労働

    「日本でも人身売買が行われているって本当ですか?」
    本当です。
    日本は海外から人身売買被害者を数多く受け入れている「人身売買の受入大国」と呼ばれるほどです。

    人身売買といっても種類は3パターンあります。国連の人身取引禁止議定書に基づくと、以下の3つのパターンに分けられます。日本で多いタイプは性的搾取と強制労働です。

    性的搾取

    性的搾取は、Q&A1の事例にもあるように、性風俗産業の中で搾取をするものです。強制売春や管理売春などが当たります。また18歳未満の場合、理由のいかんなく、買春することやポルノの被写体にすることは人身売買であるとされます。

    強制労働

    強制労働は「経済的搾取」とも呼ばれます。その人の意志に反して働かせること、労働に見合わない賃金で働かせることが含まれます。ここでは女性や子どもばかりでなく、男性も被害者になることが多いです。子どもの権利を無視して、子どもを働かせる、児童労働(特活ACEのページ)も、これにあたります。

    その他のタイプ

    この他に、臓器売買等のパターンもあります。貧困地域に人身売買のブローカーが訪れ、臓器を売ることを貧困層にもちかけます。肝臓など、移植可能な臓器が闇市場で取引されています。臓器売買について、詳しく知りたい方は、映画「闇の子供たち」を参照ください。

    出典:国連薬物犯罪事務所 GIft 2006年

  • 日本における人身売買被害者の国籍別内訳

    上図は2002年から2011年まで、日本における人身売買被害者総数と、その国籍別内訳です。外国籍の女性が日本の性風俗産業に人身売買されたケースがほとんどです。被害者数は、決して多くはないですが、この統計に計上されるのは、あくまで警察が救出した被害者に限られ、救出されていない被害者は含まれていないことが重要です。すると救出されていない被害者はどのくらいでしょうか?警察庁行政風俗研究会「風俗行政の在り方に関する提言」(2004年)では、外国籍の被害者数だけで、600~750人が被害に遭っている可能性が高いことを報告しています。統計に出てくるのは氷山の一角なのです。

    また2005年から被害者総数が半減していることがわかります。この減少には2004年にアメリカの外圧とそれまでの民間団体(NGO等)の草の根の取り組みの成果に、日本政府が後押しされ、ようやく取り組んだことが影響しています。しかし2007年から日本人の人身売買被害者も、毎年1~2人救出されていること、また2005年の法改正後、法の目をくぐって人身売買をするというケースが大変多く、より被害が見えにくくなっていることも忘れてはならないことです。

    日本における人身売買~その実態(2007年12月9日 朝日新聞)

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より詳細の背景が知りたい方へ

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世界中から人身売買がなくならないのはなぜ?-子どもからおとなまで売り買いされているという真実人身売買について、世界や日本でなにが起きているのかをはじめ、具体的な例をあげて、わかりやすく紹介。中学生から理解できる入門書。

著者
:小島優+原由利子
価格
:¥1,300
出版社
:合同出版
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書籍詳細

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人身売買をなくすために 受入大国日本の課題日本が米国務省から指摘を受け、人身売買を防止する対策を始めた2004年に、法学者・弁護士・救援現場のNGO職員たちが、実態を解明し、あるべき法や対策を提言した基本書。

監修
:吉田容子
:JNATIP
価格
:¥1,800
出版社
:明石書店
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少女売買~インドに売られたネパールの少女たち年間七千人ものネパール人少女が人身売買され、その半数以上がHIVに感染し、死と向かい合っている...。被害者たちと共に歩んだ日本人ボランティア10年間の全記録。

著者
:長谷川まり子
価格
:¥1,600
出版社
:光文社
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